川崎フロンターレは本当に「何かやってくれる」んだよなぁ。
リーグ戦でここ７年間鹿島が川崎に一度も勝ってないってのも意外だけど、今回はチャンスだった。怪我人も多く、ジェジエウも出場停止で攻守とも不安がある川崎に対して、鹿島は戦力もかなり揃っている。
早い時間に先制点を決めた鹿島は川崎にボールを持たれながらもしっかり守って素早い反撃を狙っていた。さらに川崎に退場者も出て時間的にも勝利は目前だった。
ところが･･･
一人少なくなった川崎でゴールを決めたのは大卒ルーキーの山田選手である。
もう他に誰もいなくて苦肉の策で出してきた選手じゃないかと思っていたが、レベルの高いフロンターレで普通にやれてるなんて相当すごい選手だったんだな、すみません山田選手。
そして相手のハンドで得たPKをコロコロキックして止められてしまった家長選手。
でも「キーパーが動き出すのが早すぎた」としてやり直したPKをふわりと浮かせて決めた家長選手。
「奇跡の逆転勝利！」な訳だけど決してまぐれや偶然ではないと感じるんだよなぁ。
負けていても点差が離れていても最後まで諦めない、出来得る限りのことを精一杯やる！っていう姿は、どこのクラブもどの選手も見せてくれていると思っている。本当にすごいことだ。
でも鬼木監督の川崎フロンターレは、もちろん勝つことも負けることもあるが、その「諦めない、できる限りやる」の先に「結果」や「心に残る何か」をはっきりと残してくれることが多い。
技術、戦術に裏打ちされた方法論、思考法、哲学をクラブとして持っている。そう感じさせられるのだ。
試合後のインタビューでは、素っ気ないほどクールなこともある家長選手が真摯に話してくれた。チームにとってのシーズン１勝目の重みや、そのために大事な場面でのPKのこと。
「入るときもあれば入らないときもありますが、それでも蹴ることが大事だと思います」という言葉は、その場面を目にした直後の僕には響くものがある。
また、チームメイトや監督、サポーターへの感謝の言葉も定型文のようでいて、それでも心に響いた。
鬼木監督のコメントもいつもサッカーへの真摯な向き合い方が感じられて好きだ。
鹿島の岩政監督の、リーダーとしてこの呆然とさせられる敗戦を受け止める、受け止めようとするその姿も称賛できる。
買っていたtotoの予想は見事に外れた訳だが、外れる試合ほどドラマティックな展開であったりする。
勝った負けたの中にサッカーに関わる人々、選手、監督、運営、サポーターの真剣な想いを見るとき、自分自身の仕事や生き方の真剣さを振りかえることもある。
