先週、高三の娘(卒業式は終えました)は無事に教習所を終了し、県の免許センターでの試験にも受かり、晴れて自動車運転免許を取得した。
その翌日の土曜日、早速家の車に乗ってみる。
仕事の帰りに、百均で初心者マーク二枚を購入した。
家の車の任意保険は、「誰が運転している時でも補償してくれる」プランではあるけれど、「主な運転者は30歳以上」の契約となっていた。
「同居の子ども」が運転者となる場合にはこのままでは補償されなくて、「主な運転者は21歳以下」の契約に変更する必要があった。その場合にはもちろん保険料が上がるということだ。
7月から一年間の契約期間で、今までは約4万円の保険料であった。
「3月9日から契約変更」とした場合の追加の保険料は約2万5千円、もし次回の契約更新で一年間同様の契約とする場合には約9万円の保険料となるらしい。
た、高いな・・・。
ただこれが「同居の子ども」ではなくて、「別居の未婚の子ども」である場合には、今まで通りの「主な運転者は30歳以上」の、年間4万円プランでいいらしいのだ。
さいわい、家の娘は四月から学校の寮に入る予定なので「別居の未婚の子ども」となる。その時にもう一度契約内容の変更をすれば、今回支払った2万5千円のうち1万8千円が戻ってくるそうだ。
ふーん。
さて、初めての「家の車の運転」である。
三列シートのミニバンなので教習車とは多少感覚が違うかもしれない。また娘の運転のレベルも全く判らないので、とりあえず人の少ない広めの駐車場みたいな場所で、車の感覚を掴んでみようということになった。
ちょうど良さそうな場所を思い出す。
野球やサッカーのグラウンド、テニスコートなんかがある、山の上にある市営の公園なんだけど、場所が分かりにくいのもあって時間帯によっては誰もいないような、広い広い駐車場だ。
行ってみると、記憶どおりの「穴場感」溢れる公園だった。
ただ、我々と同様に「穴場感」を求めてやって来た雰囲気の車も何台かあった。
休憩場所を求めた(っぽい)営業車、空いている公園をウォーキングしようという老夫婦、幼い姉妹に自転車とクネクネするスケボーの練習をさせる父親、階段・手摺り・段差でちょっとしたパルクールっぽい動きを繰り返す中年男性、運転席に独り座ってじっと時が過ぎるのを待っている(っぽい)高齢男性。
そこに、昨日免許取りたて(っぽい)の初心者マークの車が、ぐるぐると駐車場を周回し、枠内にバック駐車する練習を繰り返し始めた、という状況だ。
幼い姉妹の父親は、当然ながらちょっとこちらの動きを警戒しているようだった。
こちらも自転車とクネクネするスケボーの動きには充分に警戒していた。
じっと車内に座ったままの老人が、我々のことをどう思いながら眺めているのかは伺い知れない。
僕は「将来の自分の姿」がそこにあるような気がしていた。
車はなかなかバックで枠内に入らなかった。やり直してもなかなか真直ぐにならない。
ホイールベースの長さとか、ハンドルの重さとか、まだ家の車に慣れないところがあるのだろう。何せ昨日免許を取ったばかりなのだ。
僕も、ここ二十年以上は無事故無違反のゴールド免許だが、最初の車の時はちょこちょこ何かに当てたり擦ったりしていた。(他人の車に当てたことはないけれど。)
彼女と花火大会に行った時に縦列駐車の路肩の溝にタイヤを落としたこともあったな。
忘れていた記憶が甦ってきた。
あの時どうやって溝から出られたんだっけ?周りの人達に助けてもらったんだっけか?
しばらく駐車場で駐車の練習をした後、スーパーに寄ってそこから家まで娘が運転をした。普通に道路を走っている時には娘の運転にさほど不安はなかった。
そんなに無茶な運転をすることはないと思うけど、僕の愛車に多少の傷が付くことは覚悟しなければならないのかもしれない。
自動車の事故で人生が変わってしまうこともある訳だから、お互い安全運転で無事でありたいものである。
それから数日経って、娘も何度か車の運転をするうちに、自宅マンションの駐車場にもだんだんとスムーズに駐められるようになってきた。