天気予報どおりに雨が降り出した。
今日から三日間降り続くらしい。桜を散らせる雨になるでしょう、ということである。
他の曜日は仕事から帰ったらほぼ「ご飯を食べて寝るだけ」の時間になってしまうのだが、今日は早めに終わることにしている日だ。
個人事業なので休みも営業時間も自分で設定できる。好きなだけ休めばいいのだが、休めば1円も入らない。また営業はしていてもお客さんが来てくれなければ、やはり1円も入らない。テナントの家賃や人件費、その他の必要経費を払った残りが一応の収入となる。
自分の能力を金に換え、すべての決定を自分で行い、すべての責任を自ら負う。わかりやすい暮らしだ。
これでどうにか子ども三人を育てているのだからまあまあよくやっていると思う。
でもおっさんなので誰も褒めてくれる人はいない。やって当たり前なのだ。
けっこう頑張って働いているのだけれど、自分で自由に使える金は残らない。
国民健康保険料だけでも毎年70万円以上収め続けている。二人が県外の大学に行ったし、もう一人いるし。
僕の口座からはいろいろな引き落としが落ちていくばかりだ。
何とか子どもたちが就職するまで耐えよう。その思いで節制した日々を過ごしている。
病気になって休むわけにはいかないので、かなり健康には気をつけている。おかげで病院にはほとんど行ったことがない。
広場恐怖症が出てから散髪も自分でするし、外食も人付き合いもしない(できない)。家と職場をひたすら往復するだけの毎日だ。
趣味はギターと読書とサッカー観戦。
ギター弾いてりゃタダで歌えるし、本は図書館で借りるし、サッカーもスタジアム観戦をしなくなりDAZNで観るだけになった。最近ブログを書くようになったのも新しい趣味と言えるのだろうか。
まあとにかく金を使わない生活をしている。
今日は早めに帰る日なので図書館へ行った。
図書館へ行くときは運動も兼ねて歩いていくことが多い。往復で5〜6kmくらいなので丁度いい。
今日は雨なので車で行った。
家を出るときにまた思う。「あー、傘・・・。」
以前使っていた傘は壊れたのだった。2年ほど前に。
大きい方がリュックも濡れなくていいわ、と思って買った80cmサイズの傘はちょっとデカすぎて、車の乗り降りのときなど意外と使い勝手が悪かった。
そして台風の日にしっかりと風を受けて壊れてしまった。
次の雨の日。家の傘立てを見たら、誰も使ってないのは長男が小学生の時に使っていた青い傘だけだった。
とりあえずそれを差したが50cmサイズの子ども傘はおっさんには似合わない。
子どもが大きい傘を差してたら、似合わないけどかわいい。
おっさんが小さい傘を差してたら、似合わない上に怪しい。
新しい傘を買わなきゃなーと思うのだけど、そう頻繁に雨がふらないのと、あまり買い物に行かない生活も相まって(さすがに傘を買うお金がないわけではない)、2年経った今日も子ども傘を差したのだった。
図書館の駐車場を歩きながら井上陽水の「傘がない」という歌を思い出した。
傘がない(子供用しか)。
長男は2回留年をした挙げ句、この春大学を中退した。
知り合いの紹介してくれた何かの仕事をするそうだ。