岩井俊二監督の1998年の映画「四月物語」がyoutubeで期間限定公開されている。
(4月20日から30日までです。)
もう何度も観たことはあるのだが、また観てしまった。
最初に観たのは劇場公開時。まだ結婚していない頃の妻と行ったんだった。
25年経っても二人並んで、また同じ映画を観ている。
一時間ちょいの中編である。
どのシーンも絵が美しいので、なるべく大きな画面で観たい映画だ。
旭川から東京の大学に進学した主人公の女の子。(松たか子さん演じるニレノウヅキ)
観るたびに、新入生の自己紹介の場面で、身悶えしそうな気恥ずかしさを覚えてしまうのは、学生時代の似たような記憶が甦ってくるせいか。
全編通じて松たか子(ウヅキ)の育ちの良さが滲みでている。
全編通じて松たか子が一生懸命自転車を漕いでいる。
壊れた傘がこんなにも可愛く似合う人がいるんだな。
あ、四月物語で嬉しくなるのは、ウヅキとヤマザキ先輩の大事なシーンで使われている本が「わさび」(一條裕子さんの漫画)であること。
この「わさび」も、「ほのぼの」・「くだらない」・「文学性の高さ(?)」と僕好みの要素を持つ、独自性の高い大好きな漫画なのだ。
映画館でこのシーンを見つけたとき嬉しくなってしまった。きっと岩井監督も「わさび」好きなんだな。
岩井監督の作品は、長編、短編、ドラマ、だいたい全部観ていると思う。
小説も書いていて、こちらも多分全部読んでいる。少し前に読んだ「零の晩夏」も面白かった。
一番最近に映画館で観た映画も、岩井監督の「ラストレター」だ。ずいぶんと久しぶりに妻と二人だけで行った映画でもある。
それももう三年も前か。
時間が過ぎるのが早すぎる。
今回「四月物語」で想ったのは一人暮らしで大学に通う僕の娘のことだ。
娘も、僕に似て他者との関係にしんどさを感じるタイプだ。
去年は結構心を病んでいた。
春休みに帰って来た時、いろいろ話して、また四月からは何とか頑張ろうとしているみたいだ。
「四月物語」みたいに思いきって一歩を踏みだして欲しいな、と思う。
そういえばあの子も、子どものころ僕の本棚の「わさび」勝手に出して、熱心に読んでたな。