昨夜は泥のように眠った。
夢は一切見なかった。
起きてリビングに行くと、部活の練習に出かけようとしている娘が、通学リュックに「たこ焼き用の鉄板」を詰め込んでいた。
今日は午前中の練習の後、2,3年生の女子で集まって、たこ焼きパーティーをするんだそうだ。
メンバーの中で、たこ焼き器(たこ焼き用の鉄板)を持っているのが二人だけだったので、家のを持っていくらしい。
最近、上手にたこ焼きを焼けるようになった娘は、やけに張り切っている。
妻が、「秘伝のたこ焼き生地の配合」をLINEで送っておく約束をしていた。
「大阪のたこ焼きの名店で教えてもらった人」に教えてもらったレシピだ。
我が家で作るたこ焼きは、確かに「ふわトロ」で美味しい。
たこ焼きをひっくり返すピックを忘れている娘を追って、妻はパジャマのまま玄関を飛び出してエレベーターまで行った。
昨日が一日だけ部活の休養日だった娘は、同じ陸上部の仲のいい友達と二人で「旅」に行ってきた。
この連休にやりたい事が、「たこパ」と「旅に行くこと」だったのだ。
連休前、「旅? 旅ってどこへ行くの?」と聞けば、候補地に、東隣、西隣、南隣に隣接する県の、それぞれ「一番近くの市」の名前を挙げた。
要するにとにかく県外へ出かける事が、彼女らの言う今回の「旅」ということのようだ。
結局、東隣の市へと出かけて行った。
いつもの通学電車に、そのままずっと乗り続けていたら着く街だ。
「何があるんだろうね?」仕事中の僕と妻は言いながら、その市の観光案内をちょっと検索してみる。
神社、神社、お寺、お寺、城、海浜公園・・・。
女子高生が二人で行って楽しいところなのだろうか?
ここの海浜公園は昔、家族で行ったことがあった。
たしかそれもGWの一日だけの休みに、近場でお出かけ気分を楽しみたくて行ってみたんだった。
なんだか親子で同じようなことやってるな、と思った。
昨夜、帰ってきた娘に聞けば、博物館と海浜公園に行ってきたらしい。
「あの公園、わたし小さい頃に行ったことあるよね? アヒルのボート漕いでたら、なんとなく思い出してきた。」
この娘が保育園の頃じゃなかったかなぁ?
憶えていたんだ。
確かに、海浜公園の池のスワンボートに家族みんなで乗った。
この娘の上のお姉ちゃんが、狂ったように高速で足漕ぎのスワンボートを漕いでいた記憶がある。
昨日も、陸上部の二人組は、周りのボートとは明らかに違う速さでボートを漕いでいたみたいだ。
お土産に買ってきてくれた名物「塩まんじゅう」も、かつて僕ら家族が買って帰ったお土産と同じものだった。
明日は陸上部の試合の日だ。
連休中の学校の課題もたんまりある。
充実の休日。何よりだ。