最近、自転車の良さを再認識している。
あまり体に負担をかけずに長時間の運動をすることができる。
引きこもりがちで弱った僕の身体にはちょうどいい感じだ。
心地良い風を感じながら周りの景色を眺めているうちに、気がつけばそこそこの運動になっている。ガチのサイクリングではない。自転車による散歩、ポタリングというやつだ。
今日も2時間ほど自転車を漕いだ。
以前から、遠くから見てなんとなく気になっていた橋がある。
湾に架かる長い橋だ。
自転車で渡れる橋なのか? どうやって行くのか? 知らないまま、とりあえずそこを目指して愛車のクロスバイクを走らせた。
家から一時間ほど、だいたいの方角で走っていたら案外簡単にたどり着くことができた。山に向かっての坂道をしばらく登り、目の前に現れたトンネルを抜けたら、そこはもう、いきなり橋の上なのだった。
予想外の展開にちょっと面食らったが、それよりも驚いたのはそこから見える景色の絶景っぷりだった。
右も、左も、海も山も川も、空も、橋も工場も船も、遠くの町までも見渡すことができる。
初夏の青空の下、湾から遠くに広がる海もきらきらと輝いていた。
僕は七月の風を感じながら、心ゆくまでその景色を堪能した・・・ かったのだが、
た、高い・・・ この橋、めっちゃ高い・・・
車道の横に設けられた歩道(自転車道)の外側の柵は、この橋の高さにしては、若干頼りなく感じられた。
めっちゃ周りがよく見える。(怖い) めっちゃ遠くまで見える。(高い) お船があんなに小さいよ。(怖い) 高い。(怖い)
き◯たまがきゅんっと縮こまる感じだ。ハンドルを握る手にも肩にも力が入る。
絶対にここでコケちゃ駄目だ。
この景色を写真に撮ってブログに載せたいと一瞬浮かんだが、自転車を降りたら足が震えそうな気がした。
遠くからよく見えて気になっていたのは、こんなに高さがある橋だったからなのか。実際に来てみてはじめて気がついた。
後から調べたら、湾内の港に入る大型船が下をくぐれるようになっている為らしい。
山の上から突き出した橋は、かなりの高さのアーチを描き、対岸の平野に着地する。橋は途中から、急勾配の長い下り坂になった。
次の不安が僕の頭をよぎる。
全然効かなくなっていたブレーキを、今年のお正月に、ネットの記事を見ながら自分で調整したことを思い出したのだ。
頼り無げなブレーキを力いっぱい握るでもなく、かといって緩めることはできず、細心の注意をはらいながら何とか長い坂を下り終え、家へ帰った。
そして何度も経験をしても、ついうっかりしてしまうのは、「日焼けはすぐにはわからない。」ということ。
時間が経つと後からだんだん赤くなってくる。
夕方、鏡の前に立ったら、おでこと鼻と両腕が真っ赤っ赤になったおっさんがこっちを見ていた。
桃の葉ローションを塗ってみたけれどヒリヒリしている。
そういえば今朝、今年初めての蝉の声を聞いた。梅雨の谷間。一匹だけの気の早い蝉だ。