姉の家に行ったら柿をもらった。
今年は暑かったせいか熟すのが早いそうだ。熟したら勝手に木から落ちてきてしまうと言う。
渋柿なので干し柿にするのだけど、これも柿が熟して柔らかくなり過ぎると、吊るしていてもヘタが取れて落ちてしまう。
柿を干すのは晩秋から初冬くらいの、空気が乾燥して寒くなる頃が良いそうなのだけど、もう熟れちゃってんだから仕方ない。昼間の気温が30℃近いような時期に干して大丈夫なのか、心配ではあるが仕方ない。
とにかく黴びさせないように。日々、観察をする。
皮を剥いて、紐をつけ、サッと熱湯にくぐらせる。表面に焼酎も塗りたくる。
ベランダに干す。
しばらく天気はよさそうだ。
日曜に柿をもらって、月曜の夜に干したので今日で二日目か。まだそんなに変化はない。
どこからか渋柿をもらった年には干し柿を作るのだけど、ある程度干し柿っぽくなってくるまではいつも不安だ。
昨日から中間テストで早く帰ってくる娘と、今日は三人で昼食を食べていたのだけれど、突然妻がバッと立ち上がった。「鳥の声がする!」
確かに二羽の鳥が喋るように鳴いていた。よく家のベランダに来る鳥だ。妻は柿が狙われているんじゃないかと心配なのだ。
網戸をガラッと開けると、とたんに鳴き声は止んだ。
妻は干し柿が好きなのだが、それに輪をかけた干し柿好きが長女だ。
モンスター。干し柿があればあるだけ食べてしまうような女だ。そして僕もだんだんと干し柿好きになった。
保存食であり縁起物でもある干し柿をお正月にゆっくり食べたいと思っていても、年が明ける前には我が家からは無くなってしまう。「干し柿は一日一個まで」が我が家のルールだが、たまに誰かが二個目に手を出してしまう。
まあ何せ干し柿はすぐに無くなってしまうのだ。
ヤクルトやオロナミンCのように「もうちょっと欲しい」と思わせてくれる、干し柿のこの感じがちょうどいいのかもしれない。
次は年末に帰ってくるであろう長女のために、干し柿を取っておいてやりたいという気持ちはあるが、どうだろう?
干しあがったら味見をしてみなければならないし、一つ食べたらまた次が食べたくなるのが干し柿だ。あっという間になくなってしまう可能性が高い。
いや、でも娘にも食べさせてやりたい。いや、でも年末までは・・・・・・?
まずは無事に干し柿になるように、柿たちを見守りたいと思う。