昨夜の仕事帰り。自転車で走る僕は、同じく仕事帰りっぽい二人組のおじさんたちとすれ違った。
静かな夜道ですれ違う一瞬、二人の会話の一端が耳に飛び込んできた。
「あの子がうちに嘘の履歴書を出してたんよ。」
一体どんな状況ですかー?!
僕は心の中でツッコみながら自転車を漕いだ。
それだけの話。ちょっと面白かったので書いてみた。日常はいろんなドラマに満ちているんだろう。
今日の午後は、銀行に行ったり事務仕事をしたりするための時間を確保していたのだけど、天気が良くてずいぶんと暖かかったので、急遽自宅の網戸と窓を掃除することにした。今週末からはぐっと冷え込むらしい。銀行は後回しだ。
マンションの端っこの我が家は、南・西・北と三面が、コの字型のバルコニーに囲まれている。すべての部屋が床からの大きな掃き出し窓になっていて、網戸と窓が7か所分ある。
洗ったり、拭いたり、網戸を張り替えたりするのが、結構手間なのだ。
年に数回しかやらないので、最近、風雨でだいぶ汚れているのが気になっていた。
7枚の網戸を外して、バケツの水に浸した古いバスボンくんで洗う。
「バスボンくん」はお風呂掃除の道具である。長さの調節できる棒の先に、直径10cmくらいのふわふわのボンボンみたいなのがついているものだ。洗剤いらずで湯垢などをきれいにできる。
お風呂の最後の人が浴槽のお湯を抜いた後に、このバスボンくんで浴槽や天井・壁・床の水滴を毎回ササッと拭いておくようにすると、ずっとカビも生えず湯垢もつかない。かなりお気に入りでおすすめの掃除グッズだ。
そしてお風呂で使い古したバスボンくんを網戸と窓そうじに使ってみたら、これまた洗剤いらずで楽にきれいになるのだった。棒(柄)が付いているのが楽だし、汚れがメチャ落ちる。
水をたっぷり含ませたバスボンくんで汚れを絡め取ったあと、ビチャビチャになった窓と網戸を雑巾で拭いていく。
今日はバスボンくんと雑巾を、妻と二人で分担してやったので、一時間ほどで掃除は終わった。一人でやると倍以上の時間がかかる。
壁に止まった二匹のカメムシを見つけたが、こいつら二ヶ月前からずっと同じところに止まったままのような気がする。
恐る恐るバスボンくんの持ち手の先っちょで突付いてみたら、ポロッと落ちた。
死んでいる。
拳を突き上げ立ったまま死んだ、ラオウの姿を思い出した。
さらに、ちょっと前に新聞のチラシで見かけた、某百貨店での「大黄金展」で売られていた「黄金のラオウ像」三百数十万円、のことも思い出した。
マンションの下からは、下校する小学生たちのはしゃぐ声が聞こえてきた。
「小学生っていっつも楽しいんかな?」僕が言うと、妻も笑っていた。
さあ、銀行行こ。